BT材質の特性・用途

プリント基板におけるリジッド基板には様々なものがあり、使用される材質によって基板の性能や性質は異なります。BT基板もリジッド基板の一種で、ガラス繊維で編んだガラス布と、繊維を織らずに絡み合わせたガラス不織布とを混ぜ合わせた複合基材に対して、レジン樹脂とも呼ばれるBT樹脂を含浸させることで製造されたプリント基板です。

BT樹脂とはビスマレイミドトリアジン(Bismaleimide-Triazine)樹脂の略称であり、ビスマレイミドとトリアジンとを結合させた合成樹脂のことを指します。1976年に三菱ガス化学株式会社が開発した合成樹脂で、1985年からプリント基板用の積層板として使用されるようになりました。BT樹脂が開発される以前は、高コストなセラミックがプリント基板の材質として使用されるのが一般的でした。しかし、BT樹脂を使用したBT基板はセラミック基板と同等の耐熱性と電気特性を有しているにも関わらず、低コストで加工も容易であるため、1990年代に入ると急速に普及して、現在も幅広い用途に使用されています。

BT樹脂の特性として最も注目すべきなのが、高い耐熱性を有していることです。近年、電子機器は高性能化するだけでなく、小型化や軽量化が進んでいるものも数多く存在しますが、それに伴って、プリント基板の配線密度も高くする必要があり、配線間隔はどんどん狭くなっています。一昔前であれば100ミクロン以上あった配線間隔は、今や20ミクロン以下となっているのです。そのため、プリント基板には温度変化に強いという性質が求められ、素子に与える影響を最小限に留める必要があります。BT基板は温度変化に強く、温度変化が生じても反り返りにくいという特性があることに加えて、電気的特性にも優れるというメリットがあるため、高性能化や小型化、軽量化が求められる電子機器に適しています。

また、BT樹脂は製造過程においてビスマレイミドとトリアジンの比率を変えることで性質を調整することが可能であり、他の合成樹脂を使用することで変性させることも可能です。そのため、性能や性質が異なる基板を製造することができ、実際に誘電率や誘電正接などの周波数特性や、熱膨張率といった基板の性質を高めたものが開発されています。そのため、BT基板は幅広い使用用途に対応させることが可能で、今後も高性能の基板が開発されていくことが予想されており、多くの分野で使用され続けていくでしょう。