ポリイミド材質の特性・用途

プリント基板には、様々な材質で製造されたものが存在しますが、硬い材質で製造されたリジット基板と、柔らかく薄い材質で製造されたフレキシブル基板に大別されます。フレキシブル基板は、厚みが12~50μm程度のベースフィルムの上に、エポキシ樹脂などを使用して接着層を形成し、さらにその上に厚みが12~50μm程度の銅箔を張り合わせたプリント基板です。ポリイミドは、イミド結合を含んだ高分子の総称で、フレキシブル基板のベースフィルムとして使用されています。フレキシブル基板の材質には、ポリイミド以外にも存在しますが、ポリイミドはフレキシブル基板を製造する上で最も頻繁に使用される材質となっています。

ポリイミドは耐熱性が高い材質なので、通常通りハンダ付けすることが可能です。400℃程度の高温での使用にも耐えられるため、大電力伝送など高温な環境になりやすい場面での使用にも適しています。また、膨張係数が低く、金属に近いという特性があるため、配線との熱膨張によってひずみが生じることが少ないという特性も有しています。さらに、絶縁性が良いこともメリットのひとつです。
一方で、ポリイミドは、コストが高いというデメリットデメリットがあります。フレキシブル基板に使用される材質には、PET(ポリエチレンテレフタレート)も存在しますが、ポリイミドはPETと比べると約100倍もコストが高い材質です。また、ガスバリア性が低いという特性があるため、酸素や水分などを通しやすいというデメリットも存在します。

ポリイミドなどで製造されたフレキシブル基板は、柔軟性に優れており、曲げたり変形可能であることが最大の特徴です。そのため、フレキシブル基板の使用用途としては、電子機器内のわずかな隙間への配線や、3次元的な配線などが挙げられます。また、硬くて折り曲げられないリジッド基板に比べると、薄いだけではなく、軽量であることも大きなメリットです。これらの特徴から、ポリイミドで製造されたフレキシブル基板は、様々な電子機器に使用されています。使用用途の具体例としては、スマートフォンやタブレット、カメラ、液晶テレビといった小型化や軽症化、薄型化への需要が高い機器などが挙げられ、これらの製品には欠かせない基板となっています。なお、フレキシブル基板は、折り曲げて使用することが多いため、多層化には不向きな基板です。また、非常に薄いため、機械的強度が低く、重量のある素子を実装する際は支えが必要となることもあります。