プリント基板の種類~リジット基板・フレキシブル基板 > ガラスコンポジット材質の特性・用途

ガラスコンポジット材質の特性・用途

ガラスコンポジット基板とは、ガラス繊維で編んだガラス布と、繊維を織らずに絡み合わせたガラス不織布を混ぜ合わせた複合基材に対して、エポキシ樹脂を含浸させた材質で製造されたプリント基板です。ANSI・NEMA規格の呼称であるCEM-3(セムスリー)と呼ばれることも多く、主に両面基板に使用されています。

ガラスコンポジット基板は、高周波特性や伝導率などの電気的特性がガラスエポキシ基板と同程度であるにも関わらず、コストパフォーマンスに優れるというメリットがあります。そのため、ガラスコンポジット基板は、ガラスエポキシ基板の代用として使用されることが多いです。また、ガラスエポキシ基板と比較すると、耐久性は多少劣るものの、加工性が優れていることもメリットのひとつです。その加工性は、紙フェノール材質とガラスエポキシ材質の中間に位置付けられています。しかし、寸法安定性や機械強度はガラスエポキシ基板よりも劣るため、多層基板には適していません。さらに、ガラスコンポジット基板は安価であることに加えて、切削性が優れているため、パンチング加工が可能です。つまり、コストダウンを目的とした大量生産に適しているということです。

また、ガラスコンポジット基板の特性としては、耐トラッキング性に優れている点も見逃せません。プリント基板は、配線の間にホコリや塵、水分などの汚染物質がある状態で電圧が加わって電流が流れると、汚染物質は発熱して炭化していきます。炭化した汚染物質は導電率が低くなり、電流が流やすくなるため、このような状況が続くと最終的に回路が短絡してショートすることで発火に至るのですが、この現象のことをトラッキング現象と言います。トラッキング現象は電子機器の発火要因のひとつであり、火災の原因となるため、プリント基板を製作する際は注意が必要です。

ガラスコンポジット基板は、寸法安定性や機械強度が悪いため多層基板には適しません。そのため、両面基板に使用されることがほとんどで、大量生産によってコストダウンを図りたい電子機器に広く使用されています。主な使用用途としては、液晶テレビやエアコンといった家電製品やAV機器、水回り機器、パワーコンディショナーなどが挙げられます。また、パチンコやスロットなどのアミューズメント機器も使用用途の一例です。さらに、近年は熱伝導率を高めたガラスコンポジット材質が開発されており、LED照明や電源などの基板に使用されることもあります。