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ガラスエポキシ材質の特性・用途

パソコンとタブレット

プリント基板に用いられる材質には様々なものが挙げられますが、その中でも頻繁に使用される材質のひとつがガラスエポキシです。ガラスエポキシ基板は、グラスファイバーというガラス繊維で編んだガラス布に、エポキシ樹脂を含浸させた材質で製造されたものを指します。ガラエポと略して呼ばれることもあり、現在普及しているプリント基板の材質の中で最も多く使用されている材質で、多層基板のほとんどがガラスエポキシ基板です。

ガラスエポキシ基板は非常に硬いという特性があり、耐久性が高いというメリットがあります。しかし、耐久性があるということは、裏を返せば加工が難しいことを意味しており、専用の工具や機械を使用する必要があることがデメリットです。また、寸法変化が小さく、高周波特性や絶縁抵抗が高く、機械的特性や吸湿性にも優れるという特性も有しています。このように、ガラスエポキシ基板は様々な特性を有しているため、汎用性が高く幅広い用途に使用できるという特徴があります。しかし、コストは比較的高めで、紙フェノール材質と比べて2~3倍程度であることが一般的です。

さらに、ガラスエポキシは難燃性(耐熱性)が高いこともメリットのひとつです。プリント基板には、NEMA協会(アメリカ電機工業会)によって規定されているFRグレードという難燃性を表す指標があり、グレードが高くなるほど燃えにくくなります。また、ANSI(アメリカ規格協会)では、FRグレードに基づいてプリント基板の難燃性を示す上位規格を規定しています。FRグレードには1~5まで存在しますが、ガラスエポキシ基板はFR-4に位置付けられるプリント基板です。なお、ガラスエポキシ基板には、難燃性をさらに高めたFR-5に位置付けられるものも存在します。FR-4でも十分に難燃性は高いものの、非常に高温となる過酷な環境下で使用する場合には、難燃性が非常に高いFR-5の基板が使用されることがあります。ちなみに、JIS規格にも不燃性を表す指標がありますが、プリント基板の不燃性を表す場合、MEMA協会が定めた規格を使用するのが一般的です。

ガラスエポキシは非常に汎用性が高い材質であるため、さまざまな分野で使用されています。主な使用用途として挙げられる電子機器としては、両面基板であればパソコンや家庭用電子機器、OA機器などです。また、多層基板であれば、0.2~0.4mm程度の厚さが要求されるICカードやデジカメなどの薄物から、厚さが2.0~2.4mm程度であるマザーボードなど幅広い製品に使用されています。なお、難燃性の高いFR-5は、高温環境となりやすい車載向けに使用されるのが一般的です。